犬の生涯にかかる費用
犬の寿命は犬種にもよりますが10年から13年と言われています。場合によっては20年以上生きる場合もあります。
そして犬の生涯にかかる費用は、たとえ病気をしなかったとしても150万円から350万円掛かると言われています。
犬にかかる費用の一例
- ペットフードやおやつなどの食費
- ペットシート、消臭スプレー、ウエットティシュ、トイレマットなどの衛生用品代
- シャンプー、リンス、歯磨き、ブラシなどのお手入れ用品代
- おもちゃや知育玩具、ケージ、ハーネス、リードなどの生活雑貨費
- 狂犬病予防などのワクチン、フィラリア予防薬、定期健診などの医療費
- シーズーやポメラニアンなどの長毛種は美容院代
- ペット保険料
- ペットホテルや一時預かり代
- 高齢になった時は介護用品代
これ以外にも、暑さに弱いワンちゃんに対してエアコンなどを常時運転する事もあります。なので当然光熱費にも影響は出てきます。
高額な医療費
医療費は基本的に全額負担で高額です。
ちなみに毎年処方されるフィラリア予防薬だけでも血液検査込みで、超小型犬ですら3万円以上掛かります。
また、病気を発症すれは高価な療法食フードを与える事になります。
ちなみに、私の先代の犬は、13歳で亡くなるまでの5年ほど療法食を与え続けました。
また、晩年には腫瘍や尿石症も発症したので手術もしました。その時は手術代15万円の他、診察と投薬で月4〜5万円は掛かっていました。
そして僧帽弁膜不全症候群の手術に100万円という最後の決断を迫られました。もちろん貯金はありましたし、成功率が高ければ迷う事なく手術を受けるつもりでした。
しかし、罹患当時の手術成功率は50%、術後生存年数も1年とかなり低かったので苦渋の選択で手術を断念しました。
現在では僧帽弁膜不全症の治療は高額ながらも手術成功率、術後生存年数ともに格段に向上しています
このように、犬を飼うには多額の出費を覚悟しなくてはいけません。
生活は犬基準になる
毎日の起床時間、エアコンやヒーターなどの空調、旅行やお買い物などのちょっとしたお出かけでさえ、犬のことを基準に考えるようになります。
さらに家具や身の回りの小物、壁紙や柱など、破壊したり汚してしまうリスクもあります。
妻はお気に入りのハイヒールを齧られてかなり凹んでいました。
それだけならまだしも、電源コードをかじったり、尿を被った家電製品で感電したり、火災が起きたりする事故もあり得ます。
ペットと飼い主の寿命
犬猫に限らずペットを飼うにあたっては飼い主の寿命も考慮する必要があります。
ワンちゃん猫ちゃんなら13年、長くても20年ですが、鳥類の中でもオウムは大変な長寿でなんと約40〜60年なんだそうです。
場合によっては同じ年に生まれても飼い主の方が先に亡くなってしまい、親が飼っていたオウムを子や孫の代で看取るなんてことは珍しくないそうで飼い主に先立たれたオウムの社会問題も聞かれます。※オウムの仲間のキバタンは100歳を超える事もあるそうです
また、犬も長寿になれば当然介護が必要になってきます。
もし自分が介護される歳になってペットも介護が必要になったら、お互い辛い思いをする事になるでしょう。
その事を思うと、私が犬を飼う決断年齢は50代までと決めていました。
私が考える犬を飼うことに向いていない人
- しつけができない人(飼い主や他人、他犬を攻撃したり、拾い食いや異食、逃走、破壊行動などのリスク大)
- 遠方への旅行が好きな人、頻繁に家を空けてほとんど犬と関われない人
- 犬にお金を掛けない、世話ができない人(定期検診、ワクチン接種、糞尿などの処理、良い食事や運動)
- 頻繁な転勤や入院が多い人
- 犬アレルギーを持っている人、免疫関係の疾病がある人
- 飼育環境が整っていない(ペット飼育不可の物件、小さいお子様優先の家庭、不相応な多頭飼い)
- そもそも犬に関心がない人、子犬の時の可愛さ以外興味がない人
上記のリストはあくまで私の独断と偏見ですが、向いていない人は飼うための十分な調整や、環境を整えてからだと思っています。
人獣共通感染症について
犬と人も共通して感染してしまう病気、人獣共通感染症にも注意が必要です。
その代表的な狂犬病は、現在の日本では撲滅されています。
しかし、日本は過去に狂犬病に苦しめられてきた歴史があります。そして、日本の周辺諸国では現在もなお狂犬病の脅威にさらされています。
「日本は狂犬病を撲滅したからワクチンなんて打たなくても大丈夫」と考えるのは危険です。
もし日本国内で狂犬病が確認されたら、狂牛病や豚コレラと同じように、接種していないワンちゃんは殺処分になるかもしれません。
また、旅行好きな方でワンちゃんと一緒に旅する場合、旅先の感染症を持ち帰ってしまうリスクもあります。
普段からワンちゃんと遊んでいて口や鼻を舐められたり、爪で引っ掻かれたりすることもあるでしょう。
危険な菌やウイルスに感染していなくとも、ワンちゃんの口や足には雑菌が多いので、遊んだ後の手洗いや消毒は欠かさないようにしましょう。
ペットを飼うことのメリット・デメリット
犬を飼うことのメリット
犬を撫でたり一緒に過ごす事で幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌され、ストレスの解消やリラックスできるなどの効果があります。
また認知症や鬱症状の人が犬によって癒され、症状が緩和されたり改善するなどアニマルセラピーの効果も期待できます。
私の経験上、犬を飼っている時こそ人生の中で一番自分が輝いている時代でした。
この上ない珠玉の幸せを感じていましたし、やる気や困難に立ち向かえる勇気が湧いてきました。
そう考えるとお金を掛けたりお世話をするのは大変でも、それ以上の恩恵を受けられたと思っています。
犬を飼うことのデメリット
犬と幸せな日々を送っていても、いつかはお別れする時はやってきます。
先代の犬は、私の腕の中で息を引き取りました。
13歳とほぼ平均的な寿命でしたが、病気以外はまだまだ元気で散歩も食欲も旺盛だったのに、肺に溜まった大量の肺水を吐いて絶命しました。
それ以来、私は体調を崩し病院で検査をするも、原因不明な下痢が続きました。
いわゆるペットロス症候群です。ペットロス症候群は精神だけでなく身体にも影響を及ぼします。
なので犬を飼う事とは、十分すぎるほど得られるメリットがあれば、体調を崩すほどのデメリットもある事を覚悟する必要があると私は考えています。
まとめ
結果的にはワンちゃんを飼うことにメリットを感じるのであれば飼った方が良いと思いますし、体調を崩すとはいえペットロス症候群はそれほど怖れなくても良いと思います。
飼い主さんがいつまでも悲しんでいるよりは、飼えるうちに新しいワンちゃんを迎え入れ楽しく暮らしている方が、亡くなったワンちゃんもきっと喜んでくれます。
むしろ失う事を恐れるほど犬を愛することができる人にはぜひ飼っていただいて、世界一幸せな犬を1頭でも多く増やせたらいいなと思います。