まだ実家暮らしの方にとって、一人暮らしは憧れですよね。
しかし、そんな憧れも収入に合わせた生活をしないとすぐに破綻してしまいます。若いうちはお金の知識が十分でないので、使う事を考えるよりも前に、まずはしっかりと貯金する習慣を身につけることから始めましょう。
もし、一人暮らしを望んでいるのなら家賃と収入のバランスをシミュレーションしてみてください。
毎月、想定する家賃分を全額貯金して、残ったお金から食費や水道光熱費、通信費を自分で支払ってみましょう。もちろん、家事も全て自分でやってみます。
そうして、とてもやっていけないと感じたなら「実家暮らし」のままで良いと判断しましょう。
今回は、実家暮らしと一人暮らし、それぞれのメリットとデメリット、そして判断の目安についてお話します。
実家暮らしのメリット
- 家賃分が貯金や資産運用、自己投資に回せる
- 水道光熱費、通信費などを家族と按分できてお得
- 家事や、宅配の引き取り、送迎や買い物などをある程度お願いできて助かる
- 親にとっても子が身近にいると安心だったり食事などで健康管理がしやすい
- 急病などで生存率が上がる(早期発見と救急要請・医師との立ち会いがスムーズ)
資産形成の面でメリットは非常に大きい
家賃という固定費は非常に高額です。家賃を差し引いた残りで生活すると、とても趣味や自己投資までお金は回ってきません。
そこで、実家住まいにすれば、今までの家賃分をまるまる貯金や資産運用、自己投資に回すことも可能で、効率的に資産を増やすことができます。
また生活面でも自炊の必要はなく、ある程度の家事をこなせれば自分の時間も十分作れる事でしょう。そうなれば副業や自己投資にもチャレンジできます。
親御さんにとって子が側にいて様子を見られるのは精神的にも良く、余計な仕送りをしなくて済むので、経済的にもメリットが大きくなります。
ただ、ここまでは親子関係が良好で経済的・健康的においても不安のないご家庭だからこそのメリットですので、デメリットも挙げていきたいと思います。
実家暮らしのデメリット
- 通勤通学が遠方になると人生の貴重な時間を通勤・通学で失う
- 親の介入が煩わしいと思うことがある
- 友人や恋人を招きにくい
- 自立心が育ちにくい
- ご近所さんや友人など、実家暮らしをよく思わない人も大勢いる
時間をとるか、お金をとるか悩ましい所
実家暮らしでは、通勤通学が遠方になると交通費だけでも非常に高額になります。とはいえ都心の家賃はその交通費を遥かに上回ります。
しかし、人生において時間ほど貴重なものはありません。考え方によっては利便性を重視し、できた時間を自己研鑽に注ぐことも非常に良い判断だと思います。また、その時間を副業で稼ぐことができれば、家賃はそれほど問題では無くなるかもしれません。
そして、実家暮らしのもう一つの大きな問題が親子関係が良好かどうかです。
実際、私がそうなんですが、親からの精神的束縛や価値観の押し付け、そして自己肯定感の喪失に至るなど、家庭としては決して良い環境とは言えませんでした。なので実家暮らしが精神的に良い環境であるかも重要なポイントになります。
ただし、そんな私でさえ実家暮らしは、資産形成においてかなりの効果が期待できると思うのでお勧めしています。
実家住まいあるある
- 家事や料理をする気がしない
- お風呂やトイレの順番待ちがある
- 親戚が訪ねてくると気まずい
- 休日ゆっくり寝たいのに起こされる
- 夜更かしすると怒られる
- 今日の晩ご飯が好きな料理だとテンション上がる
- せっせと家に入れていたお金が、結婚や出産を機にまとめて返される
- ペットが出迎えてくるのは最高
- 疲れて帰ってきても食事や風呂が準備されていて幸せ
- 病気にかかった時の安心感
- 駅までの送迎を気軽に頼める
- 就職や結婚に危機感がない
- 実家住まいは敬遠されて恋人ができにくい
- 恋人との連絡の度にコソコソしてしまう
- 友人知人から「独立できないやつ」認定される
- 地元のコミュニティに無理やり参加させられる
- 兄弟姉妹が早々に独立してしまう
- 親や兄弟姉妹と口喧嘩する
- ついつい甘えてしまう
- 子の親離れ、親の子離れができない
- 取って置きのプリンを食べられる
- 間違えて郵便物を勝手に開けられる
- 家族で加入しているいろんなサブスクを利用させてもらえる
- 買い物の荷物持ち担当はだいたい自分
- 何か行動するにも難癖つけて反対される
- ふと親の介護について考えてしまう
一人暮らしのメリット
- 自由で気楽な生活
- 通勤通学が楽で自分の時間も融通できる
- 友人や恋人など気軽に呼べる
- 行政手続きや大家さん管理会社との契約手続きなど貴重な社会経験を積める
- 学生寮・独身寮がある場合は利用した方が経財的、セキュリティ的に安心
一人暮らしするならメリットを最大限活かせる所に住む
実家住まいでお金を優先させるか、一人暮らしで時間を優先するかは、どちらの方が自分の将来の価値が上がるかで判断します。なので、どちらがメリットを最大限に活かせるかシミュレーションをしましょう。
シミュレーションする場合は、親子関係なども考慮したり、一人暮らし先の治安や賃料、アルバイトの見つかりやすさや時給、それによって得られる時間やお金などのメリットを想定します。
もし、シミュレーションの結果かなりのリスクを背負う場合、就職して収入が安定するまでの間は辛抱するしかありません。
ただし、学生寮や独身寮が利用できるなら、一人暮らしよりあまり自由ではないですが、家賃や食事などで費用が抑えられて、しかもセキュリティの面でも安心できておすすめです。
独り暮らしのデメリット
- ご近所トラブルやストーカー、地域の治安など場合によっては身の危険を感じる
- 家賃によっては生活コストが割高になりやすく、バイトや副業が必須になって、かえって貴重な時間を失う
- 食習慣や生活習慣が怠慢になり、セルフネグレクトに陥る恐れがある
- 社会経験が少ないと、悪徳業者からの勧誘や詐欺などの犯罪に遭いやすい
- 急病の際、発見が遅れると命の危機に関わる
一人暮らしはリスクがいっぱい
ろくな社会経験もなく、単に憧れだけで一人暮らしをしてしまったら、いきなり世間の冷たい洗礼を受ける事があります。ご近所さんとの人付き合いや、その地域特有のコミュニティーであったり、ルールや暗黙の了解というものがあります。
また、その土地で親しくなった人が適切なアドバイスをくれるとは限りませんし、一人暮らしを狙う様々な誘惑や騙しがあなたの隙をうかがっています。
そして、それらの害悪やしがらみから守ってくれる人は近くにいません。一人暮らしするにはそれらのリスクに向き合う覚悟が必要になります。
また、急病や事故によって室内で意識を失った場合は、命に関わる事態になりやすいでしょう。
それに、今問題となっているセルフネグレクトは、どれほど自己管理能力に自信がある人であっても、ストレスにより精神状態が悪くなるとセルフネグレクトに陥りやすくなります。
一人暮らしあるある
- 自炊しても一人分の食事量を作るのは難しい
- 作りすぎて3日間同じ料理を食べる
- 結局コンビニやスーパーの惣菜になってしまい食費が嵩む
- 食事のバランスは乱れがちで、太るか痩せる
- 帰っても誰も出迎えてくれない
- 疲れて帰ったら料理や風呂が億劫で用意できない
- キッチンのシンクが洗い物でいっぱい
- 冷蔵庫の中身が空っぽか、あるいは未知の物で満杯
- 買い置きの食品や調味料が消費期限切れ
- 買い置きのストックが無い事を、下ごしらえ中に気づく
- 電力契約のアンペアが足りなくて電子レンジとドライヤーを同時に使うとブレーカーが落ちる
- 掃除が面倒で部屋が散らかる
- 部屋中が物で溢れかえる
- ゴミを出し忘れたり指定日を間違える
- 洗濯物が溜まっても匂いがなければ2〜3回までOK
- 近所迷惑だから夜中に洗濯できず、コインランドリーで割高になる
- 部屋が臭いのを帰宅して毎回気づく
- 貯金ができない
- 服を買える余裕がない
- 休日は寝て過ごす
- 突然孤独感に襲われる
- 孤独感を紛らわせるために友人を呼んでも、突然ひとりになりたくなる
- 荷物の受け取りのために外出できない
- 実家からの救援物資が神掛かって見える
- 予定外の呼び鈴が怖い
- お隣さんや階下の人に気を遣わないといけない
- 夜更かしなどで生活サイクルは乱れがち
- 騒音問題で夜中のトイレやシャワーの使用が制限されていると地獄
- 病気になった時は命の危険を感じる
- トイレの扉の取っ手が壊れた時の絶望感
- 実家の時より部屋は広く使えないことが分かる
- 賃貸だとペットは飼えない
- 虫やネズミが出た時はパニック
- 帰宅してから鍵を閉めて無かったことに気づいてショックを受ける
- 寮だと刑務所に入っているような気分になる
実家暮らし or 一人暮らし診断チェックシート
以下の診断で該当する項目が6つ以上なら一人暮らしの検討をしてください
- 家賃より通勤・通学にかかる交通費が同等、又は交通費の方が高い
- 一人暮らしによって得られる時間が1日4時間以上
- 自炊や掃除、洗濯などの家事を一通り自分でできる
- 起床から就寝まで、決まったスケジュールをこなせる自己管理能力がある
- 親からの仕送りが可能、または自分の経財的自立が可能
- 一人暮らし先の治安に問題がない、またはセキュリティ設備がある
- 日々の暮らしで考えられる危険要素を理解し実行できる(防犯、防火、防災)
- 大学生がアルバイトした場合、扶養者は勤労学生控除を受けられる
- 実家に兄弟姉妹の夫婦が住む予定がある
- 親の束縛が強く、ネグレクトがある
まとめ
独立とは、ただ一人暮らししただけで独立できたとは言えません。一人暮らしをしても経財的に自立できて初めて独立できたと考えてください。そうならないためにも、収入に見合う生活レベルを意識しましょう。
節約を考えたり、出費に敏感になったりして貯金の習慣を身につけましょう。こうして生活レベルを下げることができれば、自分のキャパシティが広がりいろいろな挑戦に挑みやすくなります。
一時成功した実業家が転落して無一文になっても、事業を再起して再び成功者になる話は良くあります。彼らは生活レベルを下げることに何の躊躇もしません。彼らは貧乏など怖くはないのです。
お金はこの人間社会にとって最強のアイテムでありツールです。実家暮らしは、そのお金を早く効率よく貯める上で非常に有効的な手段だと私は思います。皆様の参考になれば幸いです。