「メキシコの漁師とお金持ちの旅人」というそこそこ有名なお話がありまして、今の私の暮らしと共感できて大変気に入っているお話です。原文があるそうなのですが、このお話を私なりにアレンジしてみました。
豊かな老後って?
とある貧しい漁師が立派な魚を数匹釣り上げて港に帰って来ました。それを見ていた旅行者が漁師に話しかけました。「あなたはこんな立派な魚を釣り上げる名人なのに、何故もっと漁らないのか?」すると漁師は「家族で食べていくのにこれで十分だ」と答えました。
旅行者は「それに、まだ日は浅いがこの後どう過ごすんだい?」と聞くと漁師は「これからゆっくり昼寝をしたり子どもたちと遊んだり、日が暮れれば仲間と酒を呑んでギターを弾いたり歌ったりして過ごしているんだ。いつもこんな日々を送っているよ」と答えました。
すると旅行者は「私はアメリカで数々の成功者を誕生させたビジネスコンサルタントです。せっかくなのであなたにアドバイスしましょう。
あなたはもっと漁をするべきです。そして大量の魚を獲ればそれを売って儲けたお金を元に、船を買い仲間を集い船団を作ります。そうしてもっと多くの魚が獲れるようになったら今度は食品加工工場を建てます。そうすればさらに大儲けできて、豊かな老後を過ごせることになるでしょう」と捲し立てます。
漁師は旅行者に「へぇ〜豊かな老後っていったいどんな感じなんだ?」と聞くと旅行者は目を輝かせ「それはそれは素晴らしい事になるぞ!
例えば好きな時に起きて好きなように釣りをしたり、ゆっくり昼寝をしたり子どもたちと遊んだり、日が暮れれば仲間と酒を呑んでギターを弾いたり歌ったりして過ごす事ができるんだ!」
人生はお金持ちレースじゃない
このお話を読んでみて皆さんはどう思われたでしょうか。
世の中、お金に集中しすぎて大事な何かを忘れてしまっているような気がします。稼ぎや持ち物、役職や権威で他者にマウントを取ることなんてよく見る光景だったりマウント取られた経験をもつ方は多いでしょう。でもそのマウントを取る人に次のことを聞いてみてください。
ではあなたは今、心の底から幸せを感じているんですね?
おそらくNOと答えるでしょう。そう言った向上心を持つ方々は「いや全然足りない!もっと稼ぎたい!」「現状に満足したら終わりだ!」と、さらに上を目指しているからです。
確かにお金は大事です。でも、お金は少なければ「何かあったら大変!」と不安になり、たくさん持てば「誰かに奪われないか」不安になります。つまりお金は持っていても持っていなくても不安でしかありません。
脱サラした私は今、好きな時間に起きて、気まぐれにウオーキングして軽く汗を流し、食べていけるだけの仕事をして、犬と戯れ、昼寝をし、ゲームをして寝る。そんな毎日を送っています。もちろん、老後になって苦労しないよう社会保険料を支払い、不動産や余剰資金など投資して備えはしているつもりです。それに、もし予想外の事が起きて全財産を失ったとしても、日本には生活保護があります。なにも心配は入りません。
自分が死ぬまでにお金をちょうど使い切れば、必要分稼いだ事になるので何も無駄はありません。でも多額のお金を残して死ぬのなら、それは「お金を必要以上に稼ぎすぎた」つまり無駄に労力や自分の何かを犠牲にした事になると考えています。
自分の子供に託すのは問題ありませんが、高額であれば相続税が課されますので相続税のかからない範疇で残すことはありだと思います。ですが私には子供がいません。それに相続は「争族」とも揶揄されるほど醜いものです。
これをお読みになった皆様にとって何かしらの参考になれば幸いです。